(前回からの続きです)
立ち退きの場合、正当事由の有無が問題の争点になるようです。

正当事由?語感だけで判断することができそうもない言葉ですが、弁護士のNさんからの説明によると、その正当事由があることと、書面による通知がセットとなることで、初めて立ち退きの請求が成立するとのことでした。

今回の場合、大家さんの息子さんが「ビッグな商売で使いたいから」という理由による立ち退きの請求のため、正当事由として認められるには、ちょっと弱いそうです。

それに対して、美容室「kinu」が立ち退くことによる、売上の減少や移転に関する費用を考慮すると、仮に立ち退くことになったとしても、相応の立ち退き料を請求することができるようです。

確かに、お店の移転によって、近所のお客様が離れるのは充分にあり得ますし、次のお店の場所によっては、まったくゼロからのスタートになる可能性もあります。
そのため、「kinu」としては、立ち退きを拒否する方向で、話を進めていくことが決まりました。

正当事由の具体的な例

Nさんから伺った正当事由の具体的な例には、建物の老朽化によるものや、オーナーの親族が使用することや、オーナー自身が商売などで使用するケースや、物件を売却することがありました。

1.建物の老朽化によるもの

建物が老朽化してしまったため、建て替えをしたいので、立ち退きをして欲しいという場合です。

2.オーナーの親族が使用する

今回の「kinu」のケースがこれにあたります。

3.オーナー自身が使用する

建物のオーナーが商売で使ったり、居住用として使うために立ち退いて欲しいという場合がこれに該当します。

4.物件を売却する

建物(物件)を売却したいので、立ち退きをして欲しいというケースです。
(続きます)