ここまでの弁護士Nさんの話では、立ち退きの請求があったとしても、書面による告知と正当事由の2つが揃わない限り、立ち退く必要がないことがわかりました。
そのため、美容室「kinu」に立ち退きを了承させるためには、立ち退き料を支払わないと難しいということのようです。

立ち退き料とは?

立ち退き料というのは、移転に関する補償が含まれているようです。ただし、相場というものは一般的にはなく、案件やそれぞれの交渉ごとに違いがあるため、○○万円ということを言うことはできないそうです。

1.移転に関する補償

移転先への引越し費用や、移転先の物件の敷金や礼金や保証金などが当てはまります。もしも移転先の物件の賃料が、移転前よりも多い場合は、その差額も補償となるケースもあるようです。

2.売上の減少などの補償

立ち退くことで、お客様が減少することによる売上や移転先の改装費用、営業を再開するまでの休業補償などが当てはまります。

3.早期解決に関する補償

仮に正当事由が認められた場合であっても、立ち退きが完了するためには、合意が得られるまでは時間がかかります。話し合いで解決するのがベターですが、解決しない場合には、調停や裁判となるケースも考えられます。そのための時間を浪費しないことへの補償と言えるかもしれません。

まとめ

美容室「kinu」の立ち退きに関する問題は、大家さん側と「kinu」側の弁護士を交えた話し合いの結果、立ち退きの拒否が認められました。この街で10年営業していることで、Sさんをはじめ、たくさんのお客様から応援してもらったおかげです。

ちなみに大家さんの息子さんは、「ビッグな商売」を別の場所ですることになったようです。大家さんは変わらずお客様として来てくれています。仲違いをしなくて済んだことに、お互いホッとしているのが正直な感想です。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。